「博多祝い唄」と「博多手一本」は大切な伝統的演出
「博多祝い唄」と「博多手一本」の特徴
皆さんは、博多祝い唄と博多手一本というフレーズを聞いたことがあるでしょうか。
博多では結婚式のウエディングなど、ハレの舞台で披露されるのが博多祝い唄です。
また博多手一本は、物事のけじめをつける時などに独特の拍子で複数回手を打つ作法の1つ。
それぞれ、どのような特徴があるのか、一緒にみていきましょう。
◆博多祝い唄(祝いめでた)◆
博多祝い唄は、祝いめでたとも呼ばれています。
昔から結婚式などおめでたい席で披露されてきました。
では具体的な歌詞をみていきましょう。
1番 祝いめでた~の若松さま~よ、若松さま~よ 枝も栄ゆりゃ葉も繁る(しゅげる) ※エーイーショウエー、エーイーショウエー、ショーエショーエ、ア、ションガネ アレワイサソ、エーサーソー エー、ションガネ 2番 こちの座敷は祝いの座敷、祝いの座敷、鶴と亀とが 舞い遊ぶ (※以降を繰り返す) 3番 さても見事な櫛田の銀杏(ぎなん)櫛田のぎなん、枝も栄ゆりゃ葉も茂る (※以降を繰り返す) 4番 こちのお庭にお井戸を掘れば、お井戸を掘れば、水は若水黄金がわく (※以降を繰り返す) 5番 だんな大黒、ごりょんさんな恵比須、ごりょんさんな恵比須、でけたその子は福の神 (※以降を繰り返す) 6番 船は大黒船、船頭さんな恵比須、船頭さんな恵比須、乗せたお客が福の神 (※以降を繰り返す) 7番 あんた(ああた)百まで、わしゃ九十九まで、わしゃ九十九まで ともに白髪の生ゆるまで (※以降を繰り返す) 福岡のみならず全国から多くのファンが訪れる博多を代表する祭り「博多祇園山笠」。
その追い山が櫛田入りする際、1番入りする山だけが歌うことを許されています。
元唄は、伊勢音頭と言われており、お伊勢参りに出かけた人々が、そこで歌われるのを記憶して故郷に持ち帰ったという伝えがあるとか。
祝いめでたの歌詞は7番まであるのですが、何番まで歌うかはその場所だったり時間だったりで異なります。
ただし結婚式では、3番~7番まで歌われることが多いようです。
式を挙げる人や、その家族にとっては、せっかくのおめでたい場。
いきなり伴奏もなく歌い出し始めて驚いてしまう人もいるかもしれません。
そうならない為にも事前にインターネットなどで情報を収集しておくと◎。
この歌が予習しておいた博多祝い唄ね、と余裕を持って聞くことができるかもしれません。
◆博多手一本◆
約束の確認や物事のけじめをつける際に使用されており、山笠では、西流れや千代流れ、中洲流れなど、各町が舁山前に集合した際に行われます。
手一本という名前ですが、1度手を打つわけではありません。
では実際のやり方をみていきましょう。
よーお(かけ声)、パンパン(手で) も一つっしょ(かけ声)、パンパン(手で) よーと三度(かけ声)、パパンパン(手で) 独特の拍子で複数回に渡り手を打つのが特徴です。
博多手一本は、後日、異議なしという約束です。
この手一本終了で、その場はお開きになります。
その為、博多で手一本の後に異論を唱えることは不作法にあたるのです。
ちなみに手一本の後に拍手をするのも不作法と言われています。
事前に動画サイトを見てみるのもおすすめ
この作法で締める場合もありますが、大きな会の場合は、祝いめでたをみんなで唱和した後に、博多手一本を行う流れが多いようです。
博多では山笠のみならず、祝いめでた&手一本で披露宴を終える結婚式もあります。
また会社では歓送迎会などでも締める場合もあるようです。
特に博多以外の場所から参列したり、転勤で異動してくる人は、しっかりとその場を締められるよう、事前に動画サイト等で練習しておいた方が無難でしょう。
博多手一本の成功のために
最後に1回でも余計な手拍子が響いたら、その場が微妙な空気に包まれることもあるとか。
博多手一本は、やり直しがききません。
事前に予習して挑むようにしてくださいね。