「結納」よりも増えている「顔合わせ食事会」
顔合わせ食事会っていったい何?
結婚を決めたカップルには、実施したほうがよい儀式がいくつかあります。法律上は婚姻届を役所に提出すれば結婚が成立しますが、伝統的なしきたりによって実施すべきことがあります。そのひとつが、顔合わせ食事会です。顔合わせ食事会は親族内で行われる儀式の仕上げに近い儀式で、結婚を決めた男女それぞれの両親を会わせる会合になります。顔合わせ食事会の前の時点では、両家の親は接点がないことが一般的なので、結婚式の開催や婚姻届を出す前に一度会って、挨拶をしておこうという主旨のイベントです。単純に会うだけでは場が堅苦しくなるおそれがあるので、おいしい食事を共にして乾杯などをすることで、結納の儀式の代わりにする意味もあります。必ず行わなければいけないことではありませんが、結婚は愛しあったカップルだけの事柄ではなく両家の結びつきも表現することなので、両家の両親に会ってもらう機会は貴重なものになります。食事会の内容には特に細かい決まりはないため、カップルが主導してすばらしい時間になるように配慮しましょう。飲食店によっては、顔合わせ食事会に適したプランを用意している場合もあるので、問い合わせをするとよいかもしれません。
「はじまり」「乾杯」「結び」誰が何を言えばいいの?
両家の親に会ってもらう顔合わせ食事会は、比較的自由に進行してかまいません。しかし、最低限の事柄として、いくつかの挨拶などを行うと結納の儀式に近い内容に演出することが可能です。スムーズに進行させるには両親の協力が不可欠なので、前もって打ち合わせをしておくことが大切です。両家の親にお互いの顔と名前を知ってもらうことが目的のイベントのため、堅苦しい雰囲気は抑えていくとよいでしょう。まず必要になるのは、はじまりの挨拶です。これはカップルのうちのどちらか、あるいは両者が担当すると無難です。集まってくれてありがとうと感謝を述べて食事会の主旨を伝えます。そのあとに行いたいのは乾杯と結びの挨拶ですが、これは両家の親が分担するとよいでしょう。乾杯は、結婚のお祝いと両家の幸せを願うコメントでかまいません。結びでは、顔合わせ食事会が問題なく終わったことをうれしく思うコメントや、両家の発展を願うコメントが最適です。乾杯と結びを親で分担できないときは、カップルのどちらかが担当しても問題はありません。全体として内容を簡略化してもかまいませんが、はじまりと結びだけは誰かがスピーチを行うと儀式的な雰囲気が強くなるのではないでしょうか。
顔合わせ食事会で気を付けたいポイント
顔合わせ食事会で気を付けたいのは、ゆとりを持ったスケジュール管理です。両家が離れた場所に住んでいると、会うためのスケジュールがなかなか決まらない場合があります。結婚が決まったらなるべく早く開催場所の候補を決めて、開催日を決めましょう。結納に相当するイベントなので、両家に無理のない形で開催することが大切です。次に、乾杯などの挨拶を誰が担当するのか決めなければいけません。基本的にはカップルが主催するイベントなので、すべての挨拶をカップルが担当してもよいでしょう。開催場所の選定も大切です。個室を予約できる飲食店を活用するのが一般的なので、両親の食事の好みや店舗までのアクセス方法などを考慮して決めるのが基本です。出席者が静かな環境で話し合えることが望ましいので、ある程度は高級な飲食店を選ぶことになるかもしれません。ホテルのなかに出店しているレストランも候補になるはずです。親がかなり遠方に住んでいる場合は、前日に移動してホテルなどに宿泊してもらうとよいでしょう。開催時期によっては、飲食店やホテルの予約が取りにくい場合もあります。早めに行動して、候補となる場所を複数用意しておくと予約が取れずに困ることは少なくなるはずです。